本の紹介 イマーナの影 ルワンダへの旅ー記憶・証言・物語
イマーナの影 ルワンダへの旅ー記憶・証言・物語 https://amzn.to/3d9kHEI
1994年4月6日ルワンダ大統領が乗った飛行機が撃墜されたことをきっかけに始まったルワンダの虐殺。
長年の民族間の積み重なった感情や負の出来事、他方に対する絶対的に優越感を持てないことが爆発したんだと思う。
生き延びたものは言葉で語り、死者はその酷い死に様を晒すことで語る100日に及ぶ狂気の世界。
昨日までの気のいい隣人が明確な殺意を持って殺しに来る、隣人を殺さなければと脅迫観念に駆られる正義も悪も存在しない世界だ。
↑↑ ルワンダは内陸の小さな国です!
愛するものを守れず、手にかけざるを得なかったというこの世の地獄を味わった人は死と地獄の業火に焼かれることすら望む一方で、虐殺を扇動し集団の罪とした本当に裁かれるべき人は亡命しているという。
本書の特筆すべき点は虐殺を生き延びたものだけでなく虐殺を行った側が描かれていることだ。
30年近くが経ち、悲劇を経験した大人も経験していない若者もこの出来事からは決して目を逸らすことができない。
世界を見渡せばニュースで取り上げられていようとなかろうと虐殺や戦争で生命の危機に脅かされている人はどれだけいるだろう。同時にどれだけの人が明確な意図を持って他を脅かしているのか。
起こるあらゆる事象の原因まで知ることは難しいが、無関心のままでいるのは悲劇に加担することになるのかもしれない。
人が出来ることといえば、
知ること、
一方の思考に偏らず考えること、
そして、同じ事象に出会った時に加担することを選ばない
ことだろうか。
狂気が支配し、正常な判断ができない時に加担しないことを選ぶのは難しいだろう。
だが、支配する狂気を減らすことは可能になるのかもしれない。
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