国際結婚はキラキラだけじゃない!山あり!谷あり!闇もある!?

ガーナ人イスラム教徒と国際結婚して日本で、多様性と異文化、多様な価値観に揉まれながら生きる非イスラム教徒の日本人妻のブログ

本の紹介 隠された悲鳴

隠された悲鳴 





アフリカ、ボツワナの女性大臣が実際の儀礼殺人を元にしたアフリカ発のサスペンス。




儀礼殺人とは、「ある儀礼にのっとって人体の一部を得るために行われる殺人」のことで、その被害者というのは初潮も迎えないようなまだ幼い少女、加害者はというと既に地位も名誉もあり、その地位や名誉を維持するかさらなる成功を目指そうとする男性達だ。

実業家だったり、村長だったり、学校の校長だったり、大臣だってこともある。



つまり、すでに周りからある程度は立派な人と見做されている複数のおっさんが、少女をその欲のための犠牲にするのだ。

しかも、そのおっさんには犠牲になった少女と同じくらいの娘がいるという…ああ、もう、書いていて気持ち悪い…

しかもそれが実際にあったということだから…言葉もない…


女性大臣が書いたサスペンスなので、そんな儀礼殺人を認めようともしない権力を振りかざすおっさん達に真っ向から歯向かうのは、少女が殺されて五年後、隠されていたその少女の衣類を見つけた女性だ。

少女が殺されずにいたら、同じような年齢である。


儀礼殺人ということを女性は欲に塗れたおっさん達を認めさせ、その罪を償わせることができるのか?


少女がやがてたどり着くのは凄惨で逃れ難い事実で、金と権力があれば何をしても許される、時には贖罪を続けていた1人の死を以て、事件は終幕させられることはこの世界に往々にあるのかもしれない。


儀礼殺人にしろ、魔女狩りにしろ、「迷信なんだから」が通じるのはもう少し時代が過ぎてなのかもしれない…