国際結婚はキラキラだけじゃない!山あり!谷あり!闇もある!?

ガーナ人イスラム教徒と国際結婚して日本で、多様性と異文化、多様な価値観に揉まれながら生きる非イスラム教徒の日本人妻のブログ

13/35 「考えます」はたいていNo

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 さて、今回の帰省におけるムサさんのミッションは、


・祖父の仏壇の前に膝をつく
・お線香をあげる
・おりんを鳴らす
・遺影に向かって軽く低頭して手を合わせる


文字にするとたいしたことではありません。




大したことないにもかかわらず、ムサさんにはたぶん難しいと思うのは、死んだ人に対する拝むことが


イスラム教にはない


からですよ。


前に私が母方の祖父の仏壇に手を合わせていた姿を、


この世のものとは思えない


と言わんばかりにムサさんが見ていたことがありますから。
だからね、親には事前に言っていたんですよ。


「ムサさんにはできないかもしれないから、怒らないでね」


と。
そしてムサさんにも言ったおいたんです。


”やり方は見せるけど、無理だと思ったらやらなくていいからね”


と。
それに対するムサさんの返事は、


「考えます」


でした。


ムサさんが「考えます」と言うとき、大抵ムサさんにとって好ましいことではないのです。
そう、まるで日本人が使う、


・善処します
・検討します


みたいに。
なので、ムサさんと話をしていて


「考えます」


とムサさんが言うときは、実質的に、


No / できない


という意味になるんです。


葬式への参加にしろ、今回の帰省でのミッションにしろ、ムサさんは最初から、「問題ないのか?」という質問に対し、


「考えます」


としか答えてないんですよ。





私は経験則から、


「問題があって、できないんだな」


という判断をして、家族にあらかじめ伝えてあったんです。
でもね、ムサさんは本気で真剣に


考えていた


ようです。
それも、私の実家でその瞬間が訪れるその時まで。