本の紹介 No.1レディーズ探偵社、本日開業―ミス・ラモツエの事件簿〈1〉
本の紹介
No.1レディーズ探偵社、本日開業―ミス・ラモツエの事件簿〈1〉
アフリカボツワナでただ一人の女探偵、人呼んで「サバンナのミスマープル」。
太めでバツイチで34歳のプレシャス・ラモツェ。
「もはや陽気なイメージしか出てこないが、事件がそんなにあるのだろうか?」と思わせてからの、あらゆる事件がもたらされ、スカッと解決する姿にラモツェ女史の姿がありありと思い浮かべられる。
著者はジンバブエ生まれのスコットランド人なのだが、描写も感覚も一挙手一投足も私が知っているアフリカンのイメージとピタリとハマる。
ラモツェ女史があまりにも魅力的な反面、また、ラモツェ女史の探偵事務所で勤務する秘書の女性が優秀すぎる反面、事件に係る男性たちがダメダメの残念すぎる。
人を騙すわ、女性にたかるわ、モラハラはするわ、片っ端から浮気をするわ、アフリカの男性は、定職を持って、女性を一人に絞れる人がいないのか、と疑いたくなるダメっぷりである。
いやあ、なんていうか、旦那の友達を見てもそういうところはあるんだけどね…
とはいえ、失踪者を探す場合には、「ワニの餌食になったのでは?」、少年がサバンナに消えたときけば「実は呪術の犠牲になったのでは?」とアフリカならでは話題も尽きない。
ゾクっとするような場面にも関わらず、作品を通してカラッと陽気な感じがするのは、ラモツェ女史の人柄とラモツェ女史の愛するサバンナが作品全体を包み込んでいるからなんだろうな、と思う。
個人的には「大富豪の娘」がいい。
大富豪の末娘のあやしいうごきを尾行し、大富豪が心配するようなボーイフレンドがいたわけではなかったけど、ラモツェ女史の愛情が大きいのだ。
最後のどんでん返しとラモツェ女史と大富豪の娘が陽気に笑う姿が想像できるのがいい。
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