本の紹介 アウシュビッツを志願した男
アウシュビッツを志願した男 ポーランド大尉ヴィトルト・ピレツキは3度死ぬ
歴史から40年抹殺されたポーランド大尉ピレツキの生涯はヒトラーに戦いを挑み、スターリンに反旗を翻し、最期には祖国に命を奪われたのだが、今まで知られてこなかったアウシュビッツの姿を時代を超えて知らしめて、時が経ち体制としてもようやく正しく評価をすることができるようになったのだろう。
ちなみに、先日紹介した「また、桜の国で」にもアウシュビッツで地下工作を行なっているピレツキ大尉ということで登場する。
ポーランドには行ったことがないが、国名がポーレ、平原という言葉に由来するということで、人間の本能的にすごく魅力的な場所なんだろうと思う。
日本人も多く魅了されるのも本能的なものなんじゃないだろうか?
そのせいか、度重なる侵略を受けて、分割されて、自由と尊厳とを守るために戦いを余儀なくされてしまうのだけれど。
ピレツキ大尉はポーランドに生まれ育ち、ポーランドのために生き、最後はソ連に取り込まれた祖国に殺されてしまうが憂国の志士と言った方がいいのかもしれない。
残された家族の人生を見ると夫として父としてというところは家族としては不満もあるだろうけど、戦い通しの人生ではあったけれど、家族のためにも祖国の兵士として戦ったのだろう。
どんなに人でも何かに都合が悪ければ、歴史からも消されてしまうし、都合よく祭り上げられることだってある。
時間を経てピレツキ大尉の名誉回復がなったこと、新たな事実が見えてきたことは良いことだとは思う。
人の記憶は曖昧で文書としての記録として残っていれば良いけど、記録が消されていたら名誉回復はあり得ないし、記録も記憶もなくなってしまったことは歴史において多々あるものだろう。
それは今この瞬間も、未来においても同じことだと思うけど。
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