Sept 8 2021 本の紹介 アフリカ日和 早川千晶
アフリカ日和
著者は現在ケニアにある世界最大のスラム、キベラスラムでマゴソスクールを主催する早川千晶さん。以前講演も伺った。
早川さんがアフリカを旅して、ナイロビで仕事を求めて定住から、2000年に入るまでの主にケニアやナイロビで出会った出来事や人たちだ。
ケニア人は親切で親しみやすい一方で、嫉妬深く幸運を掴んだ人の足を引っ張ると言う傍目から見る分には普段はコミカルで気の良いヤツだが、突然現れる二面性に面食らうし、何かにつけても「大丈夫、神様が見ていてくださる!」と無意味に自信満々なところにも爆笑。
正直思う。
主語が大きいのは気がひけるが、アフリカの人々はとにかく自分の気持ちに正直で、一番気持ちの盛り上がったところの感情を出すんだと思う。
それが気の良いことなのか嫉妬全開なのかは何に感情が昂ったかによる、だから落差が激しくて、他の文化で育った人は面食らうし、「信用できない!!」となるはずだ。
人の気性もあり、経済発展の進み大都市に観光客向けの素晴らしいサファリ、溢れんばかりの笑顔のこどもたちの一方で貧しいスラム、小学校も妊娠で中退してしまうシングルマザーたち、そして民族紛争という眩い光と深い闇、そのどちらもアフリカに存在し、アフリカの魅力にも負にもなり得る。
そのどちらか一方ではなく、どちらともに生きる日本人たちもいる。
本書に紹介されるアフリカに魅入られ日本から中古車輸入して現地で改造して乗合バス・マタトゥのオーナーになった永松真紀さんは現地のチンピラを従えていたものの巻き込まれるトラブルのせいで「一体ケニアの何が好きだったかわからなくなった」とこぼしてはいるが、まだケニアにいらっしゃるので、マタドゥ道ではなくケニア道をいまも極めているんだろう。
この世界はどこも同じように「きっと想像もしていない世界がある」のだろう。
アフリカまで行かなくても、視線をいつも見ているものから少しずらせば、想像もしていない世界があるはずだ。
それでも縁あってアフリカに呼ばれてしまったのなら、イライラしながらも笑ってアフリカ日和を楽しむしかないのだろう。
早川さん、今度日本にいらした時に本書にサインくれないかしら??
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