夏越しの祓えとアフリカの呪術
ムサさんのアイデンティティはいくつかあって、
一つは、イスラム教徒であること、
一つは、ガーナ人であること
この2つが大きいと感じます。
イスラム教徒としての夏越の祓含めた日本の独自の儀式や風習に対して前回述べた通りなんですが、
ガーナ人、アフリカ人としてはどう思っているのか?
と気になります。
というのは、ガーナに限らず、アフリカには土着的な
まじない
呪術
というものが多数存在するからです。
それこそ、
絶対この人詐欺師だよね!
というような人もいれば、
・本当か嘘かわからない
・効果もあるか、ないかわからない
ような人もいるんです。
ムサさんも時々、連絡をとっています。
夏越の祓の茅の輪くぐりも人形流しも呪術的とも言えると思います。
そのやり方と意義を説明したときに、
半年の穢れを祓う
今後半年の無病息災を祈る
それぞれの意味がムサさんにはピンと来ないようです。
というのは、アフリカの呪術はなんとも即物的で、
◯◯をやったら、すぐにお金が手に入る
不幸なことが起こったのは、xxが呪いをかけているからだ
という事例を多く見聞きします。
なので、
穢れを祓う
無病息災を祈る
というなんとも抽象的なものは、わかりにくいうえに自分たちの文化に落とし込んでのイメージもしにくいようです。
ちなみに、
◯◯をやったら、すぐにお金が手に入る
と言われたのに、手に入らないばかりか逆に損をしてしまう、そんなことが起こった場合、
お金が手に入ると言う呪術より遥かに大きな力で呪いがかけられていたから、手に入らなかった
という言い訳が存在すると聞きます。
私にしてみれば「テキトーなことばかり言いやがって」なのですが、こう言う言い訳をされると
まじないが効いていたのか、インチキなのかがわからなくなる
のです。
本当か嘘かわからないまじないが廃れないのは、長年人の生活の一部だからかもしれません。
同じ呪術的な行為であっても、穢れを祓ったり、無病息災を祈る方が遥かに健全だと日本人には感じられるのではないでしょうか?
自分の文化との共通性や落とし込みがうまくできないと、他の文化を理解するということはなかなか難しいことなのかもしれません。
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