本の紹介 コンビニ人間
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<注>前に紹介していた本を2度紹介していたことにようやく気付きました。
そのため、こちらを改めて紹介します。
本の紹介 コンビニ人間
第155回芥川賞受賞作品
本編は160ページと短いのに、読んだ後に、狂気の世界は主人公の世界かそれとも普通の世界か考えさせられる作品。
36歳の主人公はちゃんと就職もせず、恋人もなく、結婚もせず18年同じコンビニでアルバイトをする。
ちなみに一人暮らし。
子どものころから少々普通とは変わった感覚の持ち主で、子どもの無邪気さと相まってサイコパス感もあるが、それが普通ではないから、「普通に見えるようにふるまおう」とする。
そんな主人公が普通の人間のようにいられる場所がコンビニで、客のちょっとした視線やしぐさを先読みする完璧な接客もできる。
私から見れば十分立派な社会人だが・・・
そんな彼女に対して、「結婚をしていない」それだけで世間はだいぶ厳しい。
こういう視線を浴びせてくる社会はだれしも経験あるものだろうが。
ひょんなことから、責任を社会に転嫁する他責思考の男を一時的に「飼う」ことになるのだが、友人、同じコンビニの従業員、妹までが見せた祝福は狂気をはらんでいた。
自分の世界を持ち、自分で自分に対する責任を負う彼女は社会という共同体からは一線を画す存在だったことがわかる。
狂気を持っていたのは彼女の世界かそれとも社会かはわからない。
読書後、自分はどっち側の人間なのかを再確認したくなる。
私は主人公側に近いけど、主人公のようにちゃんとした人間になることもできない気がするけど・・・
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