国際結婚はキラキラだけじゃない!山あり!谷あり!闇もある!?

ガーナ人イスラム教徒と国際結婚して日本で、多様性と異文化、多様な価値観に揉まれながら生きる非イスラム教徒の日本人妻のブログ

3/3 おしどり夫婦の条件@狂言


薪能で見た狂言があまりにも面白かったのです。
酒好きの舟渡が、婚家にあいさつに行く聟さんから酒をせしめる話なんですよ。
船に乗っている間中にほぼ飲みつくした挙句、帰りにも聟さんが持たされるであろう酒を当てにして、聟さんが舟渡に戻ってくるのを悠々と待っているのですよ。
また、酒をせしめようと考えているんだろうな、と。



そこへ、舟渡の妻(姑)がやってきて、


「うちの聟さんが来ているから早く帰ってきんさい」



っていうわけです。
家に帰って、ようやく舟渡は、酒をせしめた聟さんが、自分の家の聟だということを知るのですよ。
しかも姑に酒をまんまとせしめたなんて言えないから、寄りにもよって、


「うちの聟はイケメンだって聞いていたのに、イケメンじゃない!人違いだ!!」


って言いがかりをつけるんです。
姑は姑で、舟渡が寄りにもよって聟さんから酒をせしめたなんて知らないから、


「話に聞いていた通りのイケメンでしょ!?なに言ってるの!!」


とまあ、姑、強かったです。
そしたら、舟渡は姑に聟さんから酒をまんまとせしめたから顔向けできないってことを、半泣きでいうわけです。
姑はしょうがないから、抵抗する舟渡のトレードマークの長くて豊かなひげをそってしまうわけですよ。
その時の言い方が、


「その長いひげがうっとうしいし、そもそも気に入らないのよ!」


と姑の強さが随所に見えました。
見事に尻に敷かれているなあって思いました。
主役は舟渡と聟さんですし、お嫁さんの姿はどこにもないんですけど、


結婚したら、聟さんもしっかりしたお嫁さんの尻に敷かれるんだろうな、


って思ってしまうような話でした。





なんというか、妻の尻に敷かれるって日本の伝統なのかな・・・と。
舟渡と姑みたいに妻には情けない姿を見せられるというのが、おしどり夫婦なんだろうなと思うんですよね。
そういう夫婦のあり方がいいと思うんですよね・・・


今回見たのは、すったもんだありながらも、聟さんと婚家の関係が良好なほのぼのとした話でした。
別バージョンも存在するそうです。


能を見る機会があったら、狂言が入っているプログラムがわかりやすくておすすめです。