本の紹介 ト・ユウユウ
ト・ユウユウ
マラリアの治療薬を生み出し、2015年ノーベル生理学・医学賞を受賞した中国人女性科学者ト・ユウユウ氏。
マラリアは蚊の媒介で感染する感染症で、昔から「おこり」と呼ばれ身近な病気であったが、19世紀にキナの木からキニーネが生成され、一時的に鳴りを潜めていたが、熱帯熱マラリアとして猛威を振るい、ベトナム戦争で多くの被害者を生み出した。
ベトナム共産党からの依頼を受け、生薬の研究から始めたト氏だが、「神農本草経」と言った古典中の古典を紐解き、失敗を重ねようやく辿り着いたのがアルテミシニンである。
ちなみにBC2世紀には同生薬で「おこり」に対する薬を作ったと言う記録もあるらしい。
ト氏は薬の濫用がマラリアの薬耐性を促すことを危惧していて、実際治るのに時間がかかってきているようだ。
耐性がついたらどうなるのかしらねえ?
中医学というと必ず出てくる神農は百草を舐め、食べられるもの、毒になるもの、解毒するものを見極めたと言われる。
その成果が世界で必要とされる薬を作られて、多くの人の命を救っている。
焚書を免れた古典と文革中も研究員という立場を失わなかったト氏、中国の歴史を考えると奇跡だったと言えるのかな…


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