国際結婚はキラキラだけじゃない!山あり!谷あり!闇もある!?

ガーナ人イスラム教徒と国際結婚して日本で、多様性と異文化、多様な価値観に揉まれながら生きる非イスラム教徒の日本人妻のブログ

本の紹介 昼も夜もさまよえ マイモニデス伝

昼も夜も彷徨え 





昼も夜も彷徨え マイモニデス物語

https://amzn.to/3KDBnWc


12世紀の中世最大のユダヤ思想家モーセ・ベン・マイモン、マイモニデスの史実に基づいた物語。

中世は暗黒時代ってよく言われるけど、ヨーロッパの話で、イスラム圏では学問が盛んに行われたり、人が人として生きる喜びをあらわす芸術も花開いたりしていて、その後のヨーロッパにも影響を与えるわけで、マイモニデスもそんな時代のユダヤ教徒の思想家で、この人が編纂してくれたおかげで一般人でもトーラー(ユダヤ律法)やタルムードを今でも学びやすくなっているんだろうな、と思う。


「宗派ごとの教義を主張する愚はなによりも避けねばならない」のに、マイモニデスの時代に限らずそれは現代でも解消されていないし、なにより争いの種にしかなってなさそうだし、正しく導いてくれる人がいないと人は勝手に解釈して暴走してしまうのだろうな。

だから「モーセ(出エジプトのモーセ)からモーセ(マイモニデスのこと)の間に、モーセのごときもの1人としてなし」と語り継がれてしまうのだろうし、マイモニデスがマイモニデスたる所以も宗派ごとの教義が結局争いしか産まないからだ。

故郷コルドバから戦果を逃れ、ムワヒッド朝のフェズ(現在のモロッコ)に落ち着くもイスラム教徒の狂信的なユダヤ教徒狩りから逃れ、シリアのアッカのユダヤ教徒のラビの家に身を寄せるも学問とユダヤ教徒としての自由を求めてエジプトのフスタートまで流浪の旅をその人生で余儀なくされたマイモニデスの公開書簡は現代にも通じるのではなかろうか?


「家も故郷も持ち物も全て手放して、己の信じるモノを守れる場所を見つけるまで、昼も夜も彷徨え、世界は大きくて広いのだから」