本の紹介 アラーの神にもいわれはない
本の紹介 アラーの神にもいわれはない
アラーの神にもいわれはない-ある西アフリカ少年兵の物語 https://amzn.to/2L6B2QW
主人公の少年兵となるビライマ少年は架空の人物だけれど、リベリアやシエラレオネの内戦を生き延びるためにやむなくあるいは望んで銃を取った誰かの物語と言えるかもしれない。
リベリアがアメリカの解放黒人奴隷が入植して作った国とは知っていたけど、シエラレオネも一部に解放黒人奴隷が入植していて、白人が去った後も居座り、土着の人々との間に軋轢と欲求不満を生み、内戦の一端となったという、なんともやりきれない。
ビライマ少年はリベリアのおばさんのところに行く途中、乗っていたバスが少年兵による襲撃にあいそのまま少年兵となる。
少年兵といえど男の子だけでなく女の子もいてビライマ少年曰く「イカレて、より残虐」、女性だって教会や村を守るために戦う。時にはより強い軍隊を率いる男性の愛人になりながらも守ろうとするものを守る。
ビライマ少年は叔母さんを探しながら属する部隊を転々とし、友人や上官、村の人という多くの死にも出会い、「部族紛争は何人かの追い剥ぎがその国を山分けする」そんな真実にもたどり着くし、汚い猥雑な言葉を吐きながら決して正気ではいられなかったであろう。
「アラーの神様だってこの世のこと全てに公平でいらっしゃるいわれはない」
そう思わなければやりきれない、生きていくにもそんな生き方をせざるを得ない人が今この時にも地球上にいるとなると、アラーだけでなく、どんな神様も生きている人間に介入せずただその所業を見守っているだけで人が死んでから必ず公平にしてくださっているのだと思いたい。
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